先日、行なわれた横浜観魚会の第二回研究会…関東アズマの難しさがちょっと顔を出したところがあった。自分は自分で思うところはなくはなかったが、今は関東アズマを飼う人が増えること…それが第一だと考えている。
「アズマの良し悪しがわからない」っていう話しはよく聞くのだが、実は審査基準はあるのである。
これは以前あった日本東錦協会の審査基準で、これを横浜観魚会の審査基準にするか?はuusanと様子を見て、直すところを見出したら、訂正して、基準を発表しようということに二年前になっていたのである。
ただ、ひんろーさんのコメントではないが、「ダメなものはダメとはっきり言ってくれ!」となると、これを叩き台として発表しておく必要があるかな?と感じたので、尚早かとは思うが、ここに記述することにした。
関東アズマ審査基準(日本東錦協会基準)
1.頭、胴、尾等それぞれの特徴を活かし、総体的につり合いが整っていること。
2.魚に気品があり、泳ぐ姿が優雅であること。
3.魚体表面は透明鱗上に光沢のある普通鱗が点在したものであること。
4.頭は目幅があり、目先長く、肉瘤が発達していること。
5.胴体は左右同型の腹型を持ち、やや長目であること。
6.背は高すぎず、なだらかな背なりを持つこと。
7.尾筒は太く、背腹と尾との間隔が適度であること。
8.尾は四つ尾又は桜尾で、左右対称形をなし、腹の方へ迫り込みを持ち、遊泳の際、尾捌きが上手であること。なお尾割れは細い直線であること。
9.尾の立ち上がりは背に対して立ち気味であること。
10.胸ビレ、腹ビレは左右対称の一対とし、背ビレは部分欠落があってはならない。梶ビレは一本、二本とも同等。なお各ヒレとも縮れがないことが望ましい。
11.体色は原則として浅葱(スカイブルー)を含む鮮明な三色以上であること。
12.東錦の理想色は、頭に赤、背は浅葱、尾は黒で構成され、各色とも鮮やかな色彩をそなえたものとする。
13.次の魚は発見次第、審査から除くものとする。
不成魚、病魚、手入魚、フナ尾、三つ尾、出目、背びれの全部又は欠落の魚、総体的にレンガ色の魚、尾の外捲れ甚だしい魚、基準3に合致しない魚、その他東錦の品位に欠けるもの。
14.次のものは相応の加点をすることが出来る。
基準12に合致した魚。
15.次のものは相応の減点をすることが出来る。尾付け又は尾に赤が入った魚、焼魚、墨魚。
16.審査は審査時の出来映えをもって決する。なお体の大小については考慮してはならない。
1.頭、胴、尾等それぞれの特徴を活かし、総体的につり合いが整っていること。
2.魚に気品があり、泳ぐ姿が優雅であること。
3.魚体表面は透明鱗上に光沢のある普通鱗が点在したものであること。
4.頭は目幅があり、目先長く、肉瘤が発達していること。
5.胴体は左右同型の腹型を持ち、やや長目であること。
6.背は高すぎず、なだらかな背なりを持つこと。
7.尾筒は太く、背腹と尾との間隔が適度であること。
8.尾は四つ尾又は桜尾で、左右対称形をなし、腹の方へ迫り込みを持ち、遊泳の際、尾捌きが上手であること。なお尾割れは細い直線であること。
9.尾の立ち上がりは背に対して立ち気味であること。
10.胸ビレ、腹ビレは左右対称の一対とし、背ビレは部分欠落があってはならない。梶ビレは一本、二本とも同等。なお各ヒレとも縮れがないことが望ましい。
11.体色は原則として浅葱(スカイブルー)を含む鮮明な三色以上であること。
12.東錦の理想色は、頭に赤、背は浅葱、尾は黒で構成され、各色とも鮮やかな色彩をそなえたものとする。
13.次の魚は発見次第、審査から除くものとする。
不成魚、病魚、手入魚、フナ尾、三つ尾、出目、背びれの全部又は欠落の魚、総体的にレンガ色の魚、尾の外捲れ甚だしい魚、基準3に合致しない魚、その他東錦の品位に欠けるもの。
14.次のものは相応の加点をすることが出来る。
基準12に合致した魚。
15.次のものは相応の減点をすることが出来る。尾付け又は尾に赤が入った魚、焼魚、墨魚。
16.審査は審査時の出来映えをもって決する。なお体の大小については考慮してはならない。
これが基準である。
1.2.4.6.7.10.12.14.16.は今でも通用するし、らんちゅうを飼育している人なら、更に理解できる部分であろう。
3.はモザイク透明鱗である東錦には当然なことなのだが、普通鱗が混ざっているということへのこだわりは軽視されてきているかもしれない。ただ、現在、残っている関東アズマの血統からこの部分にこだわり過ぎることはちょっと難しいところがあるかもしれない。
5.ここが一番難しいところで、関東アズマのことを「長手のアズマ」と呼ぶことがあり、それが誤って、「長くなければならない」と思われているところがある点が悩ましい。全ての金魚が長手、丸手が共存しており、丸手は腹型が作りやすく、長手は腹型が作りにくい。そこから導き出されたのが、「やや長めである」という抽象的な基準になっているのである。ただ、「関東アズマは長くなければならない」という考え方は間違いで、長手だけで仔引きを続けて行けば、えんぴつみたいに細いだけの魚になってしまうのである。長手、丸手が混在していても、その長所、短所を加味した審査が行なわれればそれで良いと思うのである。
8.9.の部分は難しいところで、四つ尾の割れが、らんちゅうで言われるチョキのように開いているのは品位に欠けると審査されるのである。ただ、これを今、基準として重視するか?と言えば、もっと出品魚数が増えてから周知していけば良いのではないか?と個人的には思っている。
11.三色以上?これは最も難しいところであるが、「三色でなければならない」ということではない。そこを「原則として」という表現で表しているのである。
12.これは理想であって、出品魚の全てが理想の魚だけが集まるってことは不可能に近いところである。
13.これは知っていてもらいたいのだが、「その他東錦の品位に欠けるもの」っていう部分は、頭の赤の入り方など細かい点はあるのだが、それは、今後、おいおい言っていけばいいかな?と思っている。
15.の「次のものは相応の減点をすることが出来る。尾付け又は尾に赤が入った魚、焼魚、墨魚。」とあり、減点するものであって、あってはならないものではない。特に尾付け又は尾に赤が入った魚という部分を「ダメ!」という人もいるのだが、減点することが出来るものなのである。
関東アズマニシキの暗い歴史としては、審査基準が個人個人で曖昧に理解され、審査批判が平気で行なわれ、その結果、会が分裂してきた金魚なのである。もっと言うと「一度も流行ったことがない金魚」なのである。
らんちゅうのような審査基準が確固たるものにならなかったのは、体形重視の審査をする人もいれば、色柄重視の審査をする人、欠点を指摘して魚っぷりを見ないで審査する人、なにより飼育人口が少ない…そういった人が自分勝手な行動をしてきた結果、関東アズマは廃れたのである。
勿論、いずれは審査基準の16項目での審査を出来る日がくればと思うが、今は、浅葱色の美しい関東アズマの絶対数を増やす時期であると思っている。
磐田の好青年、森町の北京出身の御方、川崎のやっさん、kiyomaruさん、大万さん…今年から本格的に関東アズマを飼い始めた方々に、細かい審査基準を押し付けたいとは思わないし、一年や二年で理解できる金魚ではないのである。
いずれは素晴らしい関東アズマがズラリと並ぶ時が来ること、それが自分の願いである。願いではあるのだが、以前、関東アズマに携わった先人は誰も実現できなかったことを願っているのである。「一度廃れた金魚」それが関東アズマなのだから!